データの作成
学会用のポスターや配付用のチラシなど、いわゆる「1枚もの」の印刷物と共通の注意点もありますが、
「冊子もの」のデータ作成では、更に気を付けないといけない注意点が色々とあります。
完成したつもりが後から大幅な修正が必要になったりすると時間的にも精神的にも大変ですので、
予め、以下の点に注意して作りましょう。
1.冊子の綴じ方式
冊子ものの製本には、二つ折りにした紙を重ねて中央を針で止める「中綴じ冊子」や、本分の背の部分に糊を付けて表紙でくるむように止める「無線綴じ冊子」など、製本の方式が複数あります。
綴じ方式によっては、レイアウトなどデータ作成時に考慮すべき点が変わってきますので、作成する冊子のページ数や綴じ方式をイメージしておく必要があります。

例えば、無線綴じ冊子にする場合、表紙と裏表紙とをつなぐ部分に「背表紙」が入りますので、タイトルなどを背表紙に入れる場合はそのデータも作っておく必要があります。また、背表紙は本文のページ数や用紙の厚さに応じて変わりますので、依頼する予定の印刷会社に事前に背幅などについて相談しておくのも大事です。
2.レイアウト
読みやすく、体裁の整った冊子にする為には、内容に応じた「字間」や「行間」、そして適切な「余白」を
確保するなど、きちんと考えたレイアウトを設定することがとても大事です。
本文の作成に注力するあまり、レイアウトを軽んじたり疎かにしてしまうと、非常に読みづらいものになり、
内容は素晴らしいのに、そもそも読んで貰えないなど、致命的なミスになりかねません。
レイアウトを考える上での基礎知識として、紙面の上を「天」、下を「地」とよび、本を開いた時に綴じている側を「ノド」、外側を「小口(コグチ)」と呼びます。
中綴じでも無線綴じでも、「天の余白を多めにとる」と、紙面が全体的に落ち着いた印象となります。
無線綴じの場合は、ページ数が増えるほどにノド側が開きにくい&見えにくいという特徴があるので、
ページ数が多ければ多いほど、それに合わせて「ノドの余白も多めにとる」ように注意します。
中綴じの場合は、用紙を重ねて折りますので、内側のページほど小口がせり出す形になります。
製本の工程で最終的に小口側は断裁されますので、「小口側の余白をしっかり確保」しておかないと、
内側のページほど文字など本文のデータが見切れてしまう可能性が高くなります。
3.配置する写真や画像の解像度
解像度とは画像の精細さのことで、「dpi」という単位のついた数値で表します。
インターネットで目にする画像などは一般に 72 ~ 96dpi 前後ですが、印刷に使用する画像の場合は、
原寸サイズで 300~350dpi の解像度が必要になります。
(モニター上で問題なく見える画像でも、プリンターで出力するとギサギザになったりぼやけたりしてしまうのを見たことがある方も多いと思いますが、解像度が低いために起こる現象です)
したがって、テキストの他に実験データや分析結果、参考資料などの写真や図表を配置する場合は、
必ず 300~350dpi の高解像度のものを使用しましょう。
4.作成環境(OSやソフトのバージョン)
印刷会社では、一般的な範囲なら柔軟に対応できるよう環境を整えていると思いますが、当然ながら古い環境より最新の環境への対応の方が優先して求められますから、古さも含め、一般的とは呼べないソフトやバージョンでデータを作成すると、対応できない、印刷できないといった事になりかねません。
OSやソフト、バージョンなどでご自身の作成環境に不安がある場合は、事前に印刷会社に対応できるか確認をとっておくと良いでしょう。